一生に一度の買い物になるかもしれない不動産は、何十年間もローンを組んで購入することが一般的です。
そんな住宅ローンですが、毎月の返済額をできるだけ少なくしたい方には残価設定型ローンがおすすめです。
そこで今回は、家を車のように購入できる残価設定型ローンのメリットとデメリットについてご紹介します。
不動産購入にも使える残価設定型の住宅ローンとは
そもそも残価設定型の住宅ローンとは、今までは主に車を購入する際に利用されていたローンの組み方を指します。
車を例にすると、本体料金から3~5年後に予想される将来価値を差し引いた金額のローンを組む方法です。
たとえば400万円の車を5年ローンで購入する際に、5年後に予想される価値が220万円の場合、差額の180万円を5年ローンで返済するという方法です。
5年後に180万円のローンを完済したら、以下の3つの選択肢を選べます。
●車を売却して残債金を一括返済する
●残債金を一括返済して車を買い取る
●残債金を返済するローンを再編成する
これが残価設定型ローンの仕組みです。
これまで、不動産購入で残価設定型ローンを使うことは一般的ではありませんでしたが、最近は不動産市場の変化から普及しつつあります。
不動産購入で残価設定型の住宅ローンを組むメリット・デメリット
残価設定型の住宅ローンを組む最大のメリットは、毎月の返済額を少なく済ませられる点にあります。
たとえば、5,000万円の不動産でも将来的な価格が2,000万円と予想されたら、差額の3,000万円のローンを組むことになります。
大きい家に住みたいけど、高い返済額は厳しいという方にはおすすめの方法です。
また、将来的に手放すことを想定しているので、住み替えを前提にしている方におすすめです。
子育てはマイホームでおこないたいけど、自立したらその後は賃貸に住みたいという方には最適でしょう。
一方、残価設定型の住宅ローンを組むデメリットは、将来価格の予想が難しいところにあります。
車のように3~5年程度なら予想がしやすいですが、不動産の35年後の価格を予想することは困難です。
そのため、ローンを完済したときに不動産を売却してもローンが完済できない可能性があります。
残価設定型ローンを最大限活用するならば、長期的に価格が保証される優良不動産を選びましょう。
また、不動産の残価設定型ローンはまだ始まったばかりでモデルケースが少ないのも不安点です。
将来的にプランどおりいくかわからないので、事前の説明をよく理解したうえで判断しましょう。