不動産を含む遺産相続が発生すると、肉親どうしであっても大きなトラブルが起こる恐れがあります。
そうした事態を避けるために有効な方法のひとつが、あらかじめ自筆証書遺言を残すことです。
今回は、自筆証書遺言のメリットと法改正の内容についてまとめました。
自筆証書遺言による不動産相続のメリットと法改正の要点:自筆証書遺言のメリット
法的効果の強い遺言を用意したい場合は、自筆証書遺言のほかに公正証書遺言を作成する方法もあります。
しかし公正証書遺言を作る際は遺言者本人に加えて公証人と2人以上の証人が立ち会う必要があり、さらに公証役場へ出向いて作らなければならないため、作成に手間がかかります。
一方自筆証書遺言は証人をたてる必要がなく、いつでもどこでもひとりで作成できるというメリットがあります。
「思い立ったが吉日」ということわざの通り気が向けばすぐにでも作成することができ、公正証書遺言のように数万円もの費用がかかることもありません。
方式としても、自筆であること、日付の記載があること、署名捺印があることなどを満たしていれば遺言として扱われます。
さらに、遺言の中身が自分のものだけになることも自筆証書遺言のメリットといえるでしょう。
自筆証書遺言による不動産相続のメリットと法改正の要点:法改正の要点
2018年7月になって約40年ぶりに相続法が改正されましたが、このなかには自筆証書遺言に関する大きな改正点もいくつかあります。
具体的な改正点として、まず自筆証書遺言に添付する財産目録が自書でなくてもよくなることが挙げられます。
法改正前は、特定の財産を特定の人に相続したい場合は財産を特定できる財産目録(不動産項目・預金口座番号など)を遺言書に記載する必要がありました。
不動産を相続する場合は所在地・地目・地番・地積などの記載が必須となりますが、自筆証書遺言の場合はこれらの項目も手書きで記載しなければなりませんでした。
しかし、法改正後はパソコンで作成した財産目録を自筆証書遺言に添えることが認められました。
もうひとつの改正点は、自筆証書遺言を法務局で保管できるようになることです。
自筆証書遺言を法務局で保管することで、遺言書の紛失や第三者による破棄・書き換えなどのリスクがなくなります。
また法務局の形式審査を受けたうえで保管してもらえるため遺言が無効となるリスクもなく、家庭裁判所の検認手続きを経ずに相続財産を処分できるようになります。
まとめ
自筆証書遺言には、思い立ったらいつでもどこでもすぐ作成できるというメリットがあります。
かつては遺言書のすべてを自筆で作る必要がありましたが、近年の法改正によって一部をパソコンで作ることが認められ、また法務局に預けることで無効となるリスクもなくなり、より利用しやすくなったといえるでしょう。
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