はじめて不動産売却をする方の多くは、聞き慣れない用語が出てくるので戸惑うことがあると思います。
そんな方が覚えておきたいのが、按分という用語です。
基本的な意味から計算方法までご紹介しますので、不動産売却の際に役立ててみてください。
按分とは?
不動産売却の際に、「按分」という言葉が出てくることがあります。
按分とは、土地と建物の書類記載価格の割合のことです。
たとえば、土地と建物がセットになった物件の場合は、土地が7割で建物が3割のように価格の内訳を表示させます。
按分する理由とは、買主が価格の内訳をわかりやすくする意味があります。
不動産売却の際には、土地と建物に対する課税額が変わるためです。
ただし、土地と建物を別々に売り出すと扱いにくくなることから、書類上は1つの物件として扱っています。
あくまでも、按分とは税金額を把握するためのものです。
割合がわかっていれば、お互いにお得な価格で取引できるでしょう。
売主側にとっては、土地は消費税が非課税のため、土地の割合が多いと消費税の支払いが少なくなります。
一方で、買主側にとっては、建物に特別控除の利用により税金の割合が少ないほうを選びたいと感じるでしょう。
このように売主側と買主側では、希望の割合が違っています。
不動産売却の際には、お互いに有利になるよう按分の話し合いが可能です。
売主が按分を決める場合は、売主側だけが有利にならないよう注意してください。
一般的に決める方法としては、売主と買主が有利になる中間を選べばいいでしょう。
按分の計算方法
不動産売却における計算方法は、いくつかのやり方があります。
購入時の消費税から割り出す方法、固定資産税評価額を使う方法、不動産鑑定士に依頼する3種類です。
不動産を購入した際に消費税がかかっていれば、計算しやすいでしょう。
消費税から建物価格を割り出し、合計金額から建物価格を引くと、土地価格がわかります。
また、固定資産税評価額から割り出す計算は、一般的に採用されることが多い方法です。
双方にとってわかりやすく合理的な計算方法のため納得しやすいでしょう。
固定資産税評価額から土地と建物の評価額の比率がわかります。
それぞれの比率がわかったら、売却価格にそれぞれの比率をかけて計算してください。
最後に不動産鑑定士に依頼する方法は、費用をかけてもいい場合におすすめです。
トラブル防止を優先したいなら、費用をかけても依頼するメリットがあるでしょう。